みもふたもないですが、答えは「決まっていない」です。
一般的には5種〜8種ですがブリーダーさんによっても、獣医さんによっても、返答はまちまちです。
もちろん地域によっても流行している感染症の種類なども違いますから、一概にはいえません。
現在最大9種類のワクチンがあります(9種類の犬の感染症がこの世に存在する、ということです)。
1、犬ジステンパー
2、犬パルボウイルス感染症
3、犬アデノウイルス2型感染症
4、犬伝染性肝炎
5、犬パラインフルエンザ
6、犬コロナウイルス感染症
7、犬レプトスピラ病黄疸出血型
8、犬レプトスピラ病カニコーラ型
9、犬レプトスピラ病へブドマディス
ところで、「なるほど、9種類あるのだったら、これ全部打っとけば子犬も安心ね!」と思いますよね。普通。
ところが、体の抵抗力が整った成犬であればともかく、生まれたばかりの子犬(もしくは老犬)となると話はそう簡単ではないのです。
まずはこちらの人間界のニュースをご覧ください↓
■ポリオ接種後けいれんで5カ月の男児が入院 熊本
熊本市保健所は十七日、同市でポリオワクチンの予防接種を受けた生後五カ月の男児が、けいれんの発作を起こして入院していたことを明らかにした。一般的な副作用の症状とは異なるものの、因果関係を完全には否定できないという。
保健所によると、男児は四月十日に接種を受けたが、翌日になってけいれんや息が荒くなる症状が出たため入院。「群発性乳児てんかん」と診断された。
〜朝日新聞社 2000.05.18
■ポリオワクチン接種見合わせ 県が福岡の女児死亡で=兵庫
福岡県でポリオ(小児まひ)ワクチンの接種を受けた三歳女児が死亡、副作用が疑われることから、厚生省の方針を受けて兵庫県は十六日、二十五保健所や神戸市など県内の全関係機関に、十七日から当分の間、接種を見合わせるよう通達した。
〜読売新聞社 2000.05.18
2000年春に問題となった、ポリオ(小児まひ)の予防接種ワクチンを受けた幼児、子供が副作用で入院や死亡してしまった実例です。
最近ではアメリカがテロの対策で天然痘ワクチン接種を医療関係者などに進めたところ、心臓発作で死亡などの副作用を及ぼした可能性があったと話題になりました。
〜副作用を恐れ、米7州が天然痘ワクチン接種を中止
あまり知られていませんが、ワクチン接種には副作用のリスクがあります。
ワクチンというのは聞こえはよいですが、毒素そのものです。(ワクチンのしくみ参照)
人間と同じで、子犬のときにワクチンを打ったことにより副作用で病原体の症状が出たり、アレルギー、自己免疫疾患などの病気になったりすることがあります。
人間も同じですが、抵抗力の弱い幼犬や老犬がこの副作用を起こす確率が格段に上昇します。
(局所的な発症で5%以内、命に関わるような全身性ショックは数千〜1万件に1件ぐらいといわれているそうです)
抗体をつくるどころか、毒素の影響で健康を害してしまうわけです。
ワクチンを複数種類、生後間もない、抵抗力の弱い時期に打つこと自体にリスクがあるのです。
人間の場合はすぐにニュースとなって話題になりますが、子犬は大きく新聞などに報道されるわけではありません。知られていないのはただ目立っていないだけです。
このことはほとんどの動物病院は声高にはいいませんが、ブリーダーさんであればみな知っています。
感染症が、なぜいまだに蔓延しているかといえば、それは不特定多数の場所から子犬を集めるせり市とペットショップのショーケースがあるからに他なりません。
そのため、ブリーダーさん宅から直接購入者へ手渡す場合は(特に生後日数の浅い第一回目接種)、ブリーダーさんによってはごく最低限の2〜3種のワクチン(パピーワクチン)にとどめる、という判断をされる方もいらっしゃいます。
「せり市などを通すわけではないのだから副作用のリスクを犯してまで大量の病原体を、生後60日にも満たない時期に体内に入れるべきではない」という見解です。
ただし、現在の大多数の動物病院の見解は、
「現在の日本の子犬流通の環境では感染症のリスクは非常に高い。だから、『ワクチンを打つことによる副作用』というリスクを負ってでも6種〜8種を打つべきである」
というものです。
残念ながら多くの獣医さんはブリーダー直譲が増えている背景などを知らないですから、「初回ワクチンが2〜3種は少ない、おかしい、ちゃんとしたブリーダー(ショップ)なのか」という場合があり、飼い主の皆様は「どっちが正しいの?」と混乱してしまいます。
答えはもちろん「どちらも正しい」のです。
つまり極論すると、子犬を購入する店、流通経路などを考えた上で、ワクチンを打つことのリスク(副作用)とメリット(感染症を予防)を比較検討し、子犬を購入する新しい飼い主が選択することが一番望ましいことになります。
ちなみにワン!ズダイレクトはどう考えるか、と申しますと、複雑な流通を経た店舗型ペットショップから購入する場合は、副作用のリスクを負っても8種9種うつべき。ブリーダー直譲で購入するならば、生後間もない第一回目は母親からの以降抗体のこともあり、なるべくパピーワクチンまたは5種以内におさえ、その後購入者の地域特性や獣医さんの判断で6種〜9種うつべき、と考えます。
そうすることで、ワクチンの副作用リスクを最小限にとどめ、同時に感染症を防ぐメリットも享受できると判断しています。