| ─ 以前は代理店を経営していたとか。
イーテックを立ち上げる前に、エムシーエルサービスという会社の経営をしてました。出資者を募ったら、3000万円くらい集まったので、そのお金で設立した会社です。私が取締役として運営を行っていました。
─ その頃の経営状況は?
この頃、浄水器はメーカーから仕入れていたのですが、その中にNASA開発の浄水器がありました。メーカー担当者の話では、海水も真水になるほどの性能があるということでした。ウーロン茶で試してみたら、透明な水になって出てきたので、これはすごいと確信して仕入れを決めました。
だけど、仕入れた後の担当者が返答が怪しい。細かい部分が安っぽい。ちっとも売れない。それで、担当者から絶対に開けてはいけないと念押しされていた、浄水器のフタを開けてみることにしました。
中には何の変哲もないフィルター筒が2つ押し込まれていただけでした。至って普通のフィルターでした。
そこで私はようやく、このメーカーの『やり方』に気がついたのです。
─ その後どうされたのですか。
アメリカの検索サイトで、2本のフィルター筒に書かれていた型番を調べました。結果は1本50ドル・・・、50ドルですよ。愕然としました。2本で約1万円(100ドル)の商品を、100万円で仕入れていたんですから!
でも結局、それが私の転機になりました。
─ といいますと?
いくら高く売りつけられていたといっても、性能は通常のものです。しかもアメリカでは日本で買うより断然安い。だったら、アメリカから輸入して日本で売れば、儲けが出るんじゃないかと思いつきました。
知り合いの商社マンに相談をしたら、浄水器が1台6万円で仕入れられることが分かりました。ただし、「自分で組み立てるなら5万円でいいよ」と言ってくれたんです。
私は自分で組み立てることにして、部品の仕入れを始めました。騙されてお金がなかったものですから、なるべく安い値段で済ませたかった。それからは、買っちゃ売って、の繰り返しでした。
海外から安く仕入れて、自分で組み立てて、日本の相場で売る。このプロセスは、NASA開発の浄水器と出会わなければ、見えてこないものでした。
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